世間では、私の事をランニングとは、かけ離れた人種に見ているようである。ところが、たまには走ってイルのだ。時とコンディションによるのだが...。


 地方へ旅に出た際の、現地でのランニングは、なかなか楽しいものである。滞在した現地のコアな所々を、散策しながらできるのだから、まさに一石二鳥。ビールもうまさ倍増である。 
 
 
 しかし、地元でのランニングとなると、残念ながらそうはいかない...。ランニングとは、決して100%楽しいものではないというのがそもそもの持論である。そこには、必ず苦しみとの戦いが伴う。地方ならば、山河の美しい景色が、牛の鳴き声や鳥達の囀りが、癒しのビジュアルとなって、完走へと誘ってくれる。だが、都会の喧騒の中での、しかも、慣れ親しめたのはいいものの、もはや「慣れきってしまってどうにもならない」地元のコースを、

 「苦しむことなく、爽快に、楽しく且つ、笑顔で完走せよ」というのは、どだい無理な話なのである。
 
 
 共。それは、りんごのマーク「I何某」。都会のアスファルトを、孤独に、ただひたすらに行く私を、時にはミュージックで、或はラジオでサポートしてくれている。いまのところの必須最強アイテムである。


 ひょっとしたら、思わずニタニタ、或は、ニヤつきながら走っていることがあるかもしれない。すれ違う老若男女の皆様、気にせずやり過ごして頂きたい。道中、ちょっと苦しくなってきたA地点に差し掛かり、共の力を得て、そのままB地点へ持ち込み、心臓破りのC地点をこれも難なく乗り切って、見事に最後まで爽快に、そして笑顔で完走を計るのである。


 「そんなランニングになればいいんだが」と、ほぼ叶わぬ思いを抱きながらシューズを履いている自分がいる。