東京ヴォードヴィルショー公演、舞台「その場しのぎの男たち」(作 三谷幸喜氏 演出 山田和也氏)を観劇させて頂く。
 座長を務めておられるのは佐藤B作さん。
 先だっての劇団新派全国公演「三婆」にて、お仕事をご一緒させて頂き、大変お世話になった。「三婆」千穐楽後の東京へ帰る新幹線の中で、B作さんよりチラシを頂くなり、その場で予約。開口一番「是非行かせて頂きます!」
 


 抱腹絶倒。舞台の感想である。舞台でこれほど笑わせて頂いたのは、久々のことである。明治に起こった「大津事件」という実話を基にし、事件に翻弄される政治家たちの策略の様子を、三谷幸喜さんならではのコメディーワールドで表現されるストーリーがおもしろかった。
 そして何よりも、東京ヴォードヴィルショーの、喜劇にこだわってこられた歴史やエネルギーが、俳優さんの演技を通して熱く伝わってきた。


 終演後、楽屋を訪ね、B作さんへご挨拶。
 「腹を抱えて笑わせて頂きました」
 「ほんと~。ありがとね~」
 激闘を終えた男の姿の中にある、B作さんの、あの笑顔がとても印象的で、素敵であった。そして、心が熱くなっただけでなく、一俳優として勉強させて頂いた。


 若かりし頃より観てみたいと思いつつ、観られずにいた東京ヴォードヴィルショー。すっかり変わった下北沢の駅方面へ歩きながら、
 「思わぬご縁から念願叶ったなぁ」。思わず呟いていた...。