劇団新派公演「婦系図」を観賞する。原作は泉鏡花、新派の代表作である(次回は是非出演させて頂きたい作品である)。
 
 
 実は、先日の舞台稽古も拝見させて頂いている。同じ作品でも、舞台稽古と本番舞台を拝見できることは、緊張、緊迫感の質の違い、仕上がり度も感じられ、楽しいばかりでなく、非常なる贅沢であり、大変勉強になる。
 
 
 私は、泉鏡花作品では、「滝の白糸」に出演させて頂いた。(大詰め法廷シーンでの弁護士役)
 以来、泉鏡花作品には大変に心引かれている。共通テーマは「悲劇」だ。それも、あまりに酷である。
 
 
 こんな不景気で物騒な世の中である。せめてエンターテイメントの中でぐらいは、笑いに包まれ、ハッピーエンドを喰らって良い気分になりたいものである。しかし、「それだけ」では何故か、納得できないのである。釈然としないというか...。
 
 
 日本人としての遺伝子が騒ぐというものなのか...。