本州最西端の地、山口県は下関市へやってきた。私は根っからの海育ち。久々に海の町にやってくると、無性に心が和み、母親の母胎へでも戻ったような心もちになるのである。そして、下関は不思議な感覚にさらされる町だ。眼前の海を望めば、すぐそばに、北九州市が広がっているのだから・・・。
 
 
 山口公演は二か所である。下関市民会館と、長門市は、ルネッサ長門。双方、全く性格の異なる、立地環境と劇場である。前者はコンサートホール、長門はいわゆる芝居小屋である。幕が上がると、同じ県内でありながらも、芝居に対する反応が全く違ったのが印象的であった。特にルネッサ長門では、大変な盛り上がりを頂き、最後はスタンディングオベーションとなるなど、驚かされてしまった。
 下関、長門の皆様、ありがとうございました。
 
 
 旅も後半戦にかかろうとしている。少し芝居慣れしてしまい、疲れも出はじめてくる頃である。だが、こうして新派の舞台を、いや、お芝居を楽しみに待っている人々が、こんなにもいるのだと、改めて感じさせて頂いたことが、とても大きかった。フンドシヲシメナオサネバ・・・。
 
 
 これより、九州新幹線「さくら」に乗車。熊本を目指す...。