7月21日 「東京物語」 京都南座公演ついに千穐楽となった。ここまで無事にやってこられた思いと、「櫓」がついに壊されるという寂しさが、この日だけはいつもない交ぜになってしまうのである。祭りの終焉...。
場が終わっていく度にそれは実感する。舞台裏では登場を終えた小道具や、衣装などがスタッフさんによって次々に回収され、我々の前から姿を消して行くのである。表舞台は鴨川の如く淀みなく流れているのだが。
なにはともあれ、今公演は連日多くのお客様がお越し下さり、大入りが出た程の大成功のうちに終えることができたのである。京都のお客様、あるいは京都まで足を運んで下さったお客様に感謝の気持ちでいっぱいである。本当にありがとうございました。そして舞台スタッフ並びに劇場関係者の皆様、本当にありがとうございます。
10日後に祇園祭も終わりを迎える。マツリノオワリ...か。スーツケースを引っ張った女性が、私の目の前を横切って行った。彼女は今日、京都にやってきたのであろうか、はたまた私と同じ心境で家路を目指すのであろうか。
コンチキチン...。やっと耳慣れした祇園のお囃子を背に、今、のぞみ28号に私は乗ろうとしている。