夏服を着た女たち。
■ アーウィン・ショーという作家のことは、常盤新平さんの訳ではじめて知った。
確か「夏服を着た女たち」だったと思う。
初期の頃の短編は、当時のニューヨークの空気を見事に切り取っていて、ある意味で都会的、洒脱な感じがしたものだ。
多分、都会というものにまだ憧れがあったからだろう。
たまたま手にとって読み返してみたりもするのだが、路地裏にきらりと光っている硬質なガラスの欠片のような気配は、後の作品ではすぐに消えていた。
ヘミングウェイなどの別バージョンであるかのように見える瞬間もある。
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