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融ける雪のように | Newsletter No.004

 
    - Breakfast at Tiffany's 7.-
     融ける雪のように。
 
 
 
 
■ と、ここまで書いて、私はすこしうんざりしているようだった。
 十二月だからからも知れない。
 もっと軽く触れておけばよかった、という気もしないでもない。
 東京は銀杏が色づいている。
 神宮の辺りには、まだ、日のある時間に近寄ってはいなかった。
 外苑西通りの外れ、プラチナ通りと呼ばれるその辺りを広尾方面に下った。趣味のいい名前ではない。午後の日差しは金色であり、銀杏の背が思ったよりも高いことに気がつく。ビルの影になっている樹だけが、まだ緑色のままだったりした。
 一本違うだけなのにこうして差がつくのだ。と思いながら、車のガラスは汚れている。


■「こうなったのも、ただ悲しみが原因なんですよ」
 と、ブラジル人の外交官、ホセは言う。

ドライベルモット | Newsletter No.004

 
    - Breakfast at Tiffany's 8 -
     ドライベルモット。
 
 
 
■ NYの街角にはいくつものバーがあって、そこには一癖もふた癖もある親父がいるという。
 私は馴染んだことはないが、ヤンキーズの試合ならテレビで見た。
 彼らは雇われている訳ではなく、結構勝手にやっているものだから、その歳まで独身だったりすることもある。パリ解放と等しく、離婚していたのかも知れないが。
 1956年ジョー・ベルは67歳だった。
 ホリーがアフリカ、東アングリアにいたのかも知れないという噂を聞き、ポールを呼び出して作った酒が「ホワイト・エンジェル」である。パーティパンチとは異なる。
 ジンとウォッカだけでつくるのか、それでどうしろというんだ。
 
 
■ どうもしない。
 ただ酔えばいいのだという気分の時、マティニに入っているオリーブが邪魔になることが時々ある。
 ジャック・レモン主演の「アパートの鍵貸します」の中で、時間の経過をはかるのに、オリーブを刺してあった楊子を並べる場面があって、つまりはまあ、泥酔ですな。
 今回「ティファニーで朝食を」を再読すると、ところどころに酒と煙草、多くは葉巻だが、が効果的に使われていることに気がついた。